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ものか、人か、経験か...(石川五右衛門から土へ)
This a thing, a person, or an experience?
2017
Instaration
以前、夏が来ると、京都へ出かける用事が毎年のようにある時期があった。
京都での滞在期間中、年毎の用事を済ますと、決まって三条河原に腰を下ろし、ぼんやりと河川を眺めていた。
そういえば…
大体450 年くらい前に、同じ場所で石川五右衛門という盗賊が処刑された。
なんとなく気になったので、少しばかり調べてみたが、実在を証明するものすらごくごく僅かだった。
殆ど存在不詳の” この男” を自分は、小さい頃から知っている。
自分が、この男と会ったのはテレビ画面を通してだったけれど、あるいは別の誰かは、歌舞伎座で、芝居小
屋で、繰り返し生まれては死んでいくこの男と再会している。
人が結ぶ関係性には無意識のうちに結ばれ、記憶に残り受け継がれていくものがある。繰り返される演目のように、歌舞伎役者の襲名の様に、絶えず死者は生まれ変わるのだと感じた。
粘土で人形を作り、遺影を残す。鍋で煮詰めて溶かす、捨てる。を繰り返す。
この作品では、粘土の物質的な変化を旅(人生)と捉え、同時にどれだけ形を変えようと土であるというこ
とに、私が演劇に感じる不死性とリンクさせている。
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